走行24万km超えのアルテッツァは、亡き父を近くに感じられる大事な存在
2018/03/21
車は単なる移動の道具ではなく、大切な人たちとの時間や自分の可能性を広げ、人生をより豊かにしてくれるもの。車の数だけ、車を囲むオーナーのドラマも存在する。この連載では、そんなオーナーたちが過ごす愛車との時間をご紹介。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
アルテッツァは大切に乗り続けたい車
25歳という若さながら、アルテッツァ、フォレスターの2台を所有している田島さん。アルテッツァは普段の通勤に、フォレスターは主に旅行やスキーに行く際に使っている。
1台あれば事足りそうに思えるが、維持費をかけてでも2台所有するのには理由があった。
実は、アルテッツァは今でこそ田島さん名義の車だが、もともとは車好きだったお父さまの愛車。田島さんが中学生の頃に家にやってきた。
車好きとはいえ、峠に走りに行ったり車をいじったりしていたわけではない。高校教師だったお父さまの通勤がメインで、休みの日などはお母さまとの2人でドライブするなど、大切に乗られてきた。
話に聞いたとおり、車にはほぼ手が加えられておらず、購入から十数年たった今も、とてもきれいな状態を保っている。
そんなお父さまは2年ほど前、病気のため亡くなった。
「アルテッツァは形見として残しておきたい」と田島さんが引き継ぎ、所有することにした。
同時期に社会人となった田島さんは、かつてお父さまがしていたようにアルテッツァに乗って通勤している。通勤時間は片道10分程度と短いが、アルテッツァを運転している時間はお父さまを近くに感じ、落ち着ける時間だ。
しかし、アルテッツァだけに乗り続けるのにはひとつ問題があった。走行距離がすでに20万kmを超えていたのだ。
さらに、田島さんの住む地域は、冬に積雪もあるうえ、休日は趣味のスキーにも出かける。雪道に強く、多少の悪路も走れる車が必要だった。
そこで昨年末、フォレスターを購入。決して安い買い物ではないが、アルテッツァを下取りに出すという選択肢はなかった。
現在の2台の稼働率は半々くらい。スキーや旅行などの長距離移動はフォレスターに乗り、普段の通勤は気分で乗り分ける。
「古い車だからやっぱり心配です。父の形見なので、できるだけ長く乗ってあげたいと思います」
つい最近、車検を通したというアルテッツァ。お父さまの思い出とともに、いつまでも大切に乗り続けてほしい。
どんなクルマと、どんな時間を?
トヨタ アルテッツァ(初代)と、お父さまを近くに感じる時間を。
後輪駆動(FR)にこだわって作られたトヨタのミドルスポーツセダン。トランスミッションは4速AT、5速AT、6速MTがある。
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