妻の後押しもあって選んだトヨタ ランドクルーザープラドは、夫婦水入らずの時間を素敵に演出してくれる
2020/12/24
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
妻の一言で“本当に好きな車”を買う決心がついた
この日本において、車というのは社会的な意味合いを強く帯びたツールである。
望むと望まざるにかかわらず、乗っている車がオーナーの「人となり」として社会へ発信されてしまうからだ。したがって、他人からの視線を気にせず、心の底から本当に乗りたいと思った車を愛車にするのは意外と難しい。
「いま思うと以前は力んで愛車選びをしていた気がします。見栄や“モテ"といった他人の価値観に無意識のうちに縛られていたというか。年齢を重ねたことでもっと自然体で愛車選びができるようになりました」
94年式のランドクルーザープラドに乗る荻原健太郎さんはそう言ってはにかんだ。若い頃からの車好きで、メルセデス・ベンツ S600Lをはじめ、フォルクスワーゲン トゥアレグ、BMW M5といった華やかな車を多数乗り継いできたという。
「70系プラドは昔から憧れていた車種ではあったんですけど、一般的には25年落ちの旧式車ですからね。いざ購入するとなるとやっぱり勇気がいりますよ。購入するまで3年悩みました(笑) 」
そんな時に背中を押してくれたのは、『せっかく買うなら多少高価でも本当に好きな車を買ったら』という奥さまの言葉だった。
荻原さんのプラドは車高をリフトアップし、マッドタイヤが装着。ボディはランドローバー ディフェンダーの純正色「ボナティ・グレー」にペイントし、バックミラーがフェンダーへ移設されている。
大胆なカスタムだが、無骨さとスタイリッシュさが上手くバランスしている。購入時にオーダーしたものだという。
「全体的な調和を意識してカスタムしてもらいました。この手の四駆のカスタムってついコテコテになりがちなんですけど、僕は『何を省くか』という引き算がカッコよくするためのコツだと思ってるんです」
夫婦でしっかり向き合う時間が生まれた
かくして『本当に乗りたい車』を手に入れた荻原さん。最近はもっぱら奥さまとキャンプに出かけることが楽しみだという。
「この車だと、とにかく気分が“アガる”んです。家を出発した瞬間から心の中が『遊び』モードに切り替わって、現地までワクワクしながら移動できる」
利便性や快適性などは今どきの車には及ばないが、その分、運転している実感が濃厚と荻原さんは言う。適度な刺激と緊張感が心を一瞬で非日常へと誘ってくれるのだ。
じつは奥さまは少し前に大病を患い、大変な日々が続いていたという。病を何とか克服した奥さまが望んだのが夫婦でキャンプをすることだった。忙しい日常を離れ、長年連れ添った奥さまと山奥でゆったりと過ごす。プラドはそんなかけがえのない時間をいっそう価値のあるものに演出している。
「結婚してからある程度時間が経つと、夫婦でしっかり向き合って話しをする機会って少なくなりがちだと思うんです。それで何となく外側や遠くの方に目が向いてしまう。キャンプはそういった夫婦の関係を見直すことができる素晴らしい『遊び』なのだと思います。一番身近にいる人とこうして素晴らしい時間を共有できるんだってことを改めて教えてくれる。いまはとにかく妻が元気であることに感謝したいです」
荻原さんの愛する奥さまと、愛する車との出会いに乾杯!
荻原健太郎さんのマイカーレビュー
トヨタ ランドクルーザープラド(70系)
●購入金額/300万円 ※カスタム込み
●年間走行距離/約3000km
●マイカーの好きなところ/ディフェンダー純正のボディカラー「ボナティ・グレー」、後付けフェンダーミラー
●マイカーの愛すべきダメなところ/サビとの戦い(笑)
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/自分を変えたい人! 私もこれを手に入れて価値観やライフスタイルが変わりました。
ライター
佐藤旅宇
オートバイ専門誌『MOTO NAVI』 、自転車専門誌『BICYCLE NAVI』の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はスズキ ジムニー(81年式)とスズキ グランドエスクードの他、バイク2台とたくさんの自転車。
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